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HACCPと鳥害の関連性は?ハトやカラスは病原菌を持っている?

 

こんにちは、東海~関東圏で鳥害対策の設計・施工を行っている静岡県のスルガ防災環境衛生部です。

令和3年6月1日から原則として、すべての食品等事業者の方が取り組むことになったHACCPに沿った衛生管理ですが、害虫や害獣だけでなくハトやカラスなどによる鳥害(糞害)は関係してくるのでしょうか?これらについて、鳥害対策を行っている業者としての見解でお話していきます。

 

 

HACCPとは

HACCPとは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。

「HACCP」の意味ですが、「Hazard(危害), Analysis(分析), Critical(重要), Control(管理), Point(点)」の頭文字をとってできた造語です。

2018年6月、「食品衛生法」の改正法案が可決され、2020年の6月から食品を扱う全事業者に対してHACCPによる衛生管理の義務化が開始しました。2020年の法律施行から1年間は猶予期間として設けられ、2021年6月から、HACCP導入・運用が完全義務化となりました。

 

 

食品工場に潜む生物的危害要因

今回は、HACCPにおける危害要因(ハザード)のうちの一つ、「生物的危害要因」について、掘り下げて見ていきたいと思います。

生物的危害とは

「生物的危害」とは、その多くは微生物によって引き起こされる健康被害になりうる原因を指し、微生物以外にも、寄生虫などにより発生するものも含まれます。

発生の原因となるものを大きく分けると、①細菌、②リケッチア、③ウイルス、④原虫、⑤酵母、⑥カビ と分けられます。これらによって引き起こされる被害は主に食中毒で、場合によっては被害が深刻になることもあります。

また、細菌の種類によっては、食べた後の体内で毒素を発生するものや、付着した食品内で毒素を出し、加熱で菌は死んでも毒素は残っている、といったものなど、特徴は多岐にわたるため、工場内で混入しうる「生物的危害要因」を把握しそれぞれの危害要因に合った対策を行っていくことは非常に重要です。

 

 

ハトやカラスは病原菌をもっている?

鳥をよく見かける場所では、あちこちで見かける。また、目には見えなくても辺りを舞っているかもしれない羽毛。これらは、感染症の原因となるウイルスや病原菌を運びます。害鳥を寄せ付けないことは、感染対策にもつながるのです。今回は、鳥経由による感染症の中でも、人間に深刻な健康被害を及ぼしうるものについてご紹介します。

●鳥の糞等から感染する主な病気

1.鳥インフルエンザ

2.オウム病

3.サルモネラ食中毒

4.クリプトコックス症

出展:人と動物の共通感染症に関するガイドライン 環境省

1.鳥インフルエンザ

鳥類のインフルエンザは「鳥インフルエンザ」と呼ばれる、人のインフルエンザとは別のA型インフルエンザウイルスによる感染症です。このうち感染した鳥が死亡したり、全身症状を発症したり、特に強い病原性を示すものを「高病原性鳥インフルエンザ」と呼びます。

感染した鳥と濃厚接触するとヒトにも感染する恐れがあるとされています。幸いなことに、これまで日本では鳥インフルエンザのヒトへの感染は確認されていませんが、中国では’13年以降、鳥インフルエンザのヒトへの感染は頻繁に発生しており、延べ1600名が感染しおよそ600名が死亡されたとされています。

ヒトが感染した場合、インフルエンザに近い症状が出るとされています。重症化すると肺炎、多臓器不全になることもあるそうです。

2.オウム病

オウム病はオウム病クラミジアによる感染症です。主としてオウム、インコ類に感染し、その他のハト、ニワトリなどの鳥類に感染します。ヒトやイヌ、ネコにも感染します。

ヒトへの感染経路は、保菌鳥との接触、保菌鳥の排泄物の乾燥塵埃を吸入することによって感染します。また汚染された給餌器や飼料・水などに触った後に手を洗わずに飲食した時にも感染します。

初期症状として悪寒を伴う高熱、頭痛、全身倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛などがみられます。重症になると、呼吸困難、意識障害、DICなどがみられ、診断が遅れると死亡する場合もあるようです。

3.サルモネラ症

サルモネラ症は主にサルモネラ・エンテリティディスという細菌による感染症です。

サルモネラ菌は、家畜および野生動物に広く生息しています。これらは、家禽類、ブタ、ウシ、さらには、イヌ・ネコ・、カメのような爬虫類にも生息しています。サルモネラ菌の怖いところは、家畜飼料、一次生産物、さらには、食品サービスの製造施設から店舗や家庭内の感染経路まで、すべての流通経路をすり抜けることができます。

症状で最も多いのは胃腸炎で、6~72時間の潜伏期の後、突然腹痛、吐き気・嘔吐で発症します。比較的軽症で済む人がほとんどですが、疾患の脅威はかなり身近なもので、毎年10人に1人はかかっているようです。

4.クリプトコックス症

 

原因菌はクリプトコックス・ネオフェルマンスと呼ばれる酵母菌です。本来土壌に存在する真菌(カビ)で、世界中に分布されています。自然界からは鳥類、特にハトの糞から分離されます。

各種動物とヒトが感染します。ハトの糞中で増殖し、空気中に舞う乾燥した糞であったり、直接糞を触ってしまうことから感染します。

クリプトコッカス症は、免疫力・体力が落ちた人たちがかかりやすい日和見(ひよりみ)感染が多いと考えられています。感染が広がった部位によって症状が異なり、発熱、頭痛、発疹、筋肉痛、体重減少、倦怠感や乾いた咳など様々です。

 

 

鳥害・糞害とHACCPとの関連性

これらのハトやカラスなど、鳥類自身や糞から感染する危害要因を考えると、それらを除去又は低減させるHACCPによる衛生管理は、関連性があるのは明らかですよね。

工場や倉庫に鳥が住み着いていたり、寄り付いていることはありませんか?鳥が持ってくる菌は、糞や羽から人の手や足(靴)などに付着し、工場内に持ち込んでしまう可能性もあります。万が一、お客様のもとへ危害要因を運んでしまったら大変なことにもなりかねません。

生物的危害の原因となる細菌やウイルスなどの数は多く、誤って出荷すると大量回収などのリスクも負いかねません。「持ち込まない」「(食品に)つけない」の原則を守りながら、しっかりとした衛生管理を行っていきたいですよね。

まとめ

HACCPやFSSC22000などに限らず、管理者の方や品質管理を任せれている方は、それらからお客様を守るために、ぜひ鳥害対策を行ってください。

 

特にハトは、見かけたころには手遅れの可能性があります。ハトをつがいで見かけたら、そこに巣を作ろうとしている、又はもう作っています。一度巣を作り、卵やヒナがいれば鳥獣保護法で勝手に撤去や捕獲することはできません。詳しくは下記資料をご覧ください。

 

 

スルガ防災では、危害要因になりかねない鳥を寄せ付けないという観点から、物理的に防ぐ防鳥ネットではなく、撃退ドットマンを推奨しております。お問い合わせいただけましたら、現地調査の元、無料で適切なアドバイスや対策案をご提案をしております。ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

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